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【速報】寺山修司生誕80年記念 特別企画展 開催決定! [2015年03月11日]

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 ミリオンセラー「時には母のない子のように」(歌:カルメン・マキ 作曲:田中未知)や「あしたのジョー」(歌:尾藤イサオ 作曲:八木正生)の作詞家でもある寺山修司は、「ジャズを楽しむ本」(共編:湯川れい子1961)などの著作もあるように、音や音楽についての興味、また造詣の深さは並大抵のものではありませんでした。20代前半、ラジオドラマという耳を媒介とする仕事でつちかった音感は、やがて演劇実験室「天井棧敷」における『毛皮のマリー』や『新宿版・千一夜物語』公演で、まず自らが担当した「選曲」という分野で花開いてゆくことになります。時代への嗅覚、ドラマツルギー、そして何よりも自分の書いた台詞をより美しく輝かせるために、古賀政男、M J Q、バッハ、ワーグナーといったあらゆるジャンルからの音楽を「選曲」し、音とひかりの融合、俳優の肉声と肉体の実在感を際立たせ、寺山独自の幻想的な舞台を作り上げることに成功したのです 。
 日本の現代音楽の作曲家との共同作業も多く、高校生時代、俳句同人誌「天狼」でライバル関係にあった、作曲家・松村禎三とは戯曲デビュー作 『血は立ったまま眠っている』で組み、武満徹、山本直純、諸井誠、湯浅譲二などといった日本を代表する作曲家とラジオ、テレビ、映画を通じて多くの作品を手がけました。
 『網走番外地』などの音楽を手がけたジャズピアニスト・八木正生には『あしたのジョー』の作曲だけではなく、天井棧敷第4回公演『花札伝綺』の音楽も依頼していますし、古賀政男とはテレビの正月番組で共演し、美空ひばりを姉に、森進一を弟に見立てた作品を発表したほか、五木ひろしの『浜昼顔』をヒットさせたりもしています。
 デザイナー、イラストレーター、映画監督として名を馳せる和田誠の、作曲家としての才能に注目していた寺山は、天井棧敷第2回公演『大山デブコの犯罪』の作曲や、天井棧敷の主題歌を依頼しました。
 『書を捨てよ町へ出よう』の台本には「叩きつけるようなロック!」とト書きで指定してあります。黛敏郎司会の「題名のない音楽会」では作家でもあるギタリスト・深沢七郎と共演したり、寺山の音楽フィールドはロックからフォークロアまで無限のひろがりをみせています。
 天井棧敷の特別公演、西武劇場(:パルコ劇場)での最初の作品は、ベラ・バルトークの『中国の不思議な役人』でした。このとき音楽を担当したJA・シーザーは、バルトークの曲を巧みにアレンジして自分の作品に取り込んでいます。クラシック、ロックオペラ、また日本の浄瑠璃や歌舞伎といった伝統音楽への理解の深さ。自前の音楽家をようやく得た寺山は、シーザーを焚きつけ、もっと遠くへかれをいざないます。舞台版『書を捨てよ町へ出よう』を観て、 寺山の世界に飛び込んだJA・シーザーは当初、デザイナーを目指していました。しかし、寺山はかれの音楽的センスに目をつけ、作曲家になることを勧めます。以来、映画や演劇での寺山修司とJA・シーザーの関係は、イタリアの 映画監督フェリーニと作曲家ニーノ・ロータと比肩しうる強力な結びつきとなってゆきました。

 今回の企画展では、寺山の仕事にかかわった数多くの音楽家たちの関連資料、 寺山修司作詞によるレコード、及びかれの愛蔵レコードなど170枚も一挙に展示します。音楽の世界でも、秀でた才能を発揮した寺山修司の、ミラクル・ミュー ジック・ワールドをご堪能ください。


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